結婚しない人

　ウェルカムドールたちは〝結婚できるのにしない人〟について「何故なんだろう」と話しています。
　

本当に〝一人が気楽〟なの？

　「〝他人と暮らすのが煩わしい〟の理由は他にもありそうだけど。」
　「家事を役割分担できても、なんだかんだで意見の食い違いが出てくるだろうね。」
　「家事を手伝ってもらっても、相手のやり方が気に入らなくてアドバイスしたら喧嘩になったなんて話はよく聞くね。」
　「それで旦那さんはやる気をなくす…、よくあるパターンだね。」
　「女性は気になっても口を出さずにその場は見守る忍耐が必要。」
　「男性も言われても文句を言わずに素直に受け入れる姿勢が必要だよ。」
　「そういう相手への気遣いが煩わしいんじゃない？」
　「子供が生まれると更に考え方の違いが目立ってくるだろうね。それぞれの両親との関りも多くなってくるだろうし。」
　「育児には絶対口出しされるね。」
　「自分の親の世代とは育児に対する考え方が違う。時代が違えば常識も違ってくる。それが分からずに〝私はこうして育てた〟と言われるとカチンとくるだろうね。」
　「そこで旦那さんが間に入って味方に付いてくれれば良いけど、そうしてくれるとは限らない。そうなると更にストレスに。」
　「つまりは誰かと一緒に暮らすと、自分の思い通りに出来ないことが多くなることが煩わしいってことかな。」
　「好きな人と一緒にいる喜びよりも煩わしさの方が強いってこと？」
　「今の女性は結婚に夢を抱いていないのかもね。とても現実的に考えているみたい。」
　「現実的に考えることは大事だけど、マイナスイメージばかりでとらえすぎだと思う。」
　「結婚のプラスイメージってどんなこと？」
　「やっぱり好きな人と共に残りの人生を歩めることじゃないかな。良いことばかりではないだろうけど、一人暮らしにはない心強さがある。それが一番じゃないかな。子供ができれば尚更だね。」
　「そうだね、今結婚するかしないか悩んでいる女性たちはまだ若いから元気だし仕事もバリバリ出来る世代。独身の友人もそれなりにいて稼いだお金は自分の自由に使える。やりたいことがやれて一番楽しい時かもしれない。独身でも本当の寂しさを感じていないのだと思う。仕事や遊びで解消出来ているから。だから誰かと暮らすのは煩わしいって簡単に言えてしまうんだろうな。でもいつまでもその生活が続けられるわけではないからね。」
　「年を重ねればどうしても身体は衰えるし、仕事もマンネリ化、下手したら世代交代で閑職に回されるかもしれない。そうなるとやりがいを感じられなくなる。その時には一人の気楽さよりも寂しさの方が強くなってくるんじゃないかな。」
　「やはり夫婦として一緒に歩んできた人の存在って大きいと思う。それに子供もいれば随分心強いだろうね。成長も楽しみだし。」
　「結婚や出産を自分の老後の介護目当てに考えるわけではないけど、両親亡き後に自分の家族がいないと孤独感は大きいと思う。いくら友人が多くても所詮は他人だから。気付いたらこの広い世界の中で独りぼっち…なんてことになりそう。」
　「でも結婚しても子供は出来ずに、自分が旦那の介護しないといけなくなるかもしれない。そういうマイナスイメージばかりを想像して、〝それならやっぱり1人の方が気楽〟って考えちゃうのかもね。実際に介護で大変な思いをしているって話も聞くから。」
　「結婚したからといって必ず幸せになれるとは限らない、むしろ大変な思いをするかもしれない。先が読めないから、それほど大きな不幸になりそうもない独身を選んでいるように感じるね。一人でも何とかなるだろうって。」