「癒される」とはどういうこと？　ウェルカムドールの制作に役立てるため、癒しについて考えます。
　前回ぬいぐるみには癒し効果があると書きました。当たり前のように使っているこの「癒し」という言葉は実際には身体にどのような影響を与えていることを指すのでしょうか。
　

癒しの方法　

　癒しの手段として、深呼吸や睡眠、有酸素運動、森林浴、アロマテラピー、ヨガ、入浴、コーヒー、甘いものを食べる、思い切り泣く等、多くのものが挙げられます。全てのことが全ての人に当てはまるわけではないので、自分に適したものを行いましょう。何をするかの判断は「疲れが取れて落ち着く」と感じられることですね。
　

　ちなみに私は身体が超硬いので、ヨガをしても苦しいだけです。
　

癒しの反対は？

　それでは癒しの反対になることはなんでしょうか。一般的にはストレスと言われていますね。だから癒されるということはストレスがなくなることとも言われます。
　

　でもストレスを感じていなくても癒されたいと思うことがあるのではないですか。そもそも自分の心の状態がどの程度のストレスレベルなのか把握できている人は少ないのではないでしょうか。癒しにしてもストレスにしても実際に目で見ることができず、概念だけでとらえているのでとても分かりづらいです。
　

　人間は生きている以上何らかのストレスにさらされていて、ストレス０の状態になることはないと思います。癒しの反対がストレスなのではなく、ストレスがあるレベル以下になると「癒される」と感じるのだと思います。つまり、癒しはストレスレベルがそれまでよりも低い状態になること、またはその状態になる要因のことを指しているのです。
　

　結果的に「心が休まる」「落ち着く」「温かい気持ちになる」等、それまでの状態よりも穏やかになったら「癒された」と感じるのでしょう。ストレスがなくなるのではなく、ストレスレベルが低くなれば良いのです。仕事でストレスを溜めても家に帰って子供の顔を見たらホッとするのであれば、「自宅は癒しの場所」と言えるでしょう。
　

　「癒される」の反対は「癒されない」なのでしょうが、「癒し」の反対は「癒されないし」と言ったら怒られそうです。（こんな結論で良いのでしょうか…。）
　

癒し系ドール再考

　前回癒し系ドールの要件として
　①適度な柔らかさがある　②適度な大きさがある　③人間からのアクションに何らかの反応をしてくれる　④全体的に可愛いと感じられる　
　の4点を挙げました。
　

　ただ、文中に「フィギュアは例外」と書いた通り、硬い・小さいものが多い・反応ない・怖いものもある、というフィギュアでも「見ているだけで癒される」という人は多いでしょう。コレクターは所有感で癒されているとも言えます。（ここでいうフィギュアとは主に樹脂製でTVや映画、ゲーム等のキャラクター等の飾っておくことを主な目的としている人形を指します。）
　

　そもそも人形ということで一括りにしてぬいぐるみ系とフィギュア系とを同じ土俵で語ること自体が間違っていますよね。なのでこの要件についてはあまり気にしないでください。当てはまらないから癒されないということではないです。感じ方は人それぞれなので。「癒しの方法」でも書いた通り、癒しの手段はいろいろなので、自分に合うものを選べば良いのです。
　

　ドールクリエイターとしては自分の作品を手にした人が「癒される」と思ってくれるものを作りたいのです。だから自分自身の目安として4項目を挙げさせてもらいました。これは私の作品の要件だということです。
　

　「可愛い」とか「カッコいい」「面白い」だけではなく、その人の心の支えとなるようなドールを作りたい。飾っておくだけでも良いし抱きしめても良い、それはその人の自由です。ただ、心に波風が立った時にそれを少しでも静める役割ができるようなドールを作れたら、制作者としてはこの上ない喜びです。