卒業式

　今日は金沢市の公立小学校の卒業式でした。我が息子も卒業生の一人です。姉2人も含めて10年間の小学校生活とも別れを告げることになりました。時の経つのは早いものです。長女の入学式の時の出来事がついこの間のように感じます。
　

無邪気さの裏側

　小学校の卒業式に涙は似合いません。そのまま同じ中学校へ進学する人が殆どで、友達とはまた4月に会えるからでしょう。私が見る限りでは泣いているのは担任の若い女の先生だけでした。保護者の方たちの中にも泣いている人は見かけませんでした。（ただ、あとで妻に聞いてみると、子供も先生も保護者も泣いている人は結構いたそうです。私の視野が狭いのかもしれません…。）
　

　子供たちは無邪気です。でもその裏側は分かりません。悩みを抱えていても親にも先生にも相談できずにいるのかもしれません。今日卒業式の最中にふと頭に浮かんだことがあります。ちょうど1週間前の12日に愛知県豊田市で小学6年の女子2人がマンションから飛び降りて亡くなった事件のことです。近くに遺書めいたメモが残されていたため自殺と推定されていますが、真相は不明のようです。いじめらしき内容のことも書かれていたようですが具体的なことは示されておらず、自殺だとしても理由は不明とのこと。一体何があったのでしょうか。2人の通う小学校の卒業式は明日のようです。親御さんの無念さは計り知れません。
　

　なぜ自分に相談してくれなかったのだろう。親としてそう思うのは間違いありません。子供が相談しにくい雰囲気を醸していたのかもしれない、厳しくしすぎたのかもしれない、と後悔することでしょう。しかし相談できなかったのは大好きな親に心配を掛けたくないからという子供の優しさからなのかもしれません。子供には子供の事情があります。全てを親が理解することは不可能です。親は自分が子供だった頃のことを忘れてしまうのです。小学生と言えども真剣に考えて自分で答えを出そうとしているはずです。中学生、高校生になればなおさらです。大人から見たら馬鹿げた考えでも子供たちは真剣です。そのことは理解してあげないといけません。
　

　もしかしたら我が子たちにおいては、親が教育する時期はすでに過ぎたのかもしれません。だとしたら今後親として出来ることは何なのでしょうか。恐らく正解は無いのだと思います。親も自分で真剣に考えて答えを出さないといけないのでしょう。その気持ちを新たにした卒業式でした。