幸せへの道標

　〝こんなはずではなかった。〟結婚したことを後悔する人はそう思うはず。最初に描いていた結婚の形と現状のとの大きな違いに落胆していることでしょう。何故そうなったのか、どこで間違えたのか。〝相手が思っていたような人ではなかった。〟そう結論付けるのは簡単ですが、本当にそれが正解なのか、ウェルカムドールたちは首を傾げます。
　

互いの幸せ

　「失敗したことが分かった時には〝あの時にああしていれば良かった〟って後悔するけど、それは失敗したからそう思うわけで失敗する前に気付くことは難しいよ。」
　「後悔先に立たずってことだね。」
　「それが分かれば誰も失敗しないよ。」
　「失敗しない人なんていないよ。でも後悔する失敗と後悔しない失敗はあると思うな。」
　「失敗するか成功するかは結果であって、それまでの過程が大事だってことかな。」
　「それに失敗した時に〝ああしていれば…〟と思うかもしれないけど、〝ああして〟いても成功したとは限らないんじゃないかな。」
　「じゃあ、どうすれば良かったの？。」
　「その答えは誰にも分からないよ。Aさんが〝ああして〟成功したとしてもBさんが〝ああして〟も失敗することはあるはず。〝ああ〟することが全ての人にとって成功を約束された道というわけではないよ。」
　「一人の人間が同時に別の人生を体験することは出来ないから、自分があの時ああしていたらどうなっていたかなんて考えても答えは出ないよ。」
　「成功を約束された道があるのなら誰も迷わないね。」
　「失敗したことで選ばなかった道が輝いて見えちゃうんだな。」
　「もしも成功していたら〝あの時ああしなくて良かった〟って思うんだろうね。」
　「人生の中ではいくつもの岐路があってその都度どこへ進むか迷うよね。その時皆失敗しないような方向へ進もうとしているはず。」
　「誰も失敗したくないもんね。」
　「でも結婚を失敗だったと思う人はどこかで自ら失敗への道を選んでいるんだと思う。結婚した当初の気持ちを忘れてしまったんだろうね。」
　「当初の気持ちっていうと、〝2人で一緒に幸せになる〟ってことかな。」
　「ほとんどのカップルはそう思って結婚したはず。それなのにいつの間にか自分の幸せばかりを考えるようになっていたんじゃないかな。」
　「夫の考えに同意できないと反対しちゃう。夫も妻の反対意見に耳を貸そうとしない。お互いに自分の幸せを守るために相手の幸せを認めようとしない。それで2人の幸せが崩れてしまうんだよ。」
　「お互いに〝こんな人だとは思わなかった〟って思っているだろうね。」